夜の情事から、乃莉子が逃げ回る事、数週間・・・。


宣言通り、毎晩キャスパトレイユは乃莉子に絡んできた。


ただ、キャスパトレイユは、とても紳士な態度ではあった。


初日、一つのベットで眠る事を強要された乃莉子は、ビクビクしながら夜を迎えた。


その緊張たるや、言葉には言い表せないほどであったのだが、蓋を開ければ何て事なく、とんだ取り越し苦労で終わる事になる。


同じ布団で眠るという偉業に、恥ずかしさこの上なく、乃莉子はキャスパトレイユに背を向けて、横になった。


そんな乃莉子をキャスパトレイユは、背中からふわっと優しく抱きしめて首筋に顔を埋めた。


ぴったりとくっつくキャスパトレイユから、温もりが伝わってきて、乃莉子の心臓はトクンと揺れた。


しかし、あろうことかキャスパトレイユの手は、ゆっくりと獲物を求めて目的の場所まで、這うように移動を始めたのだ。


体のあちらこちらを経由して、そおっと乃莉子の胸に手を忍ばせる。