黒瀬くんがユニフォームを着ると。






────ダンッ



それは、一瞬の出来事だった。



いつの間にか先輩たちの間を抜け、誰もガードについていない1年生の子のもとへボールが渡っていたのだ。



「……えっ…あっ…」


ボールを手にした男の子は、そのままシュートを決める。




「……なにがおこったの…」



理恵先輩がポツリと呟いた。