───パサッ ゴールに入った。 今のところ点差は12点。 向こうがリードしているが、すぐに逆転してやる! オレは負けねぇ! 「黄瀬くん」 「あ?」 ハァ、ハァ、と息している黒瀬を見る。 「ゴール近くにいて。僕が必ず君にパスを出すから」 「はっ?ちょっ!」 無理すんな──なんて、言う前にあいつは勝手に歩いて行った。 なんなんだ。 ゴール前って──はぁ? しかも敬語じゃなくなってるし。 意味わかんねぇ。 だけど──── オレは言われた通りにゴール近くに移動した。