黒瀬くんがユニフォームを着ると。





「……お前、人の技をコピーすることしかできねぇのかよ?」



熱気であふれる体育館。


蒸し暑いのも、少しイライラの原因だったり。



「ケンカ売っとるんか?さっきから突っかかりすぎやで」



睨みを効かせる緑川。


オレも同じように睨みを効かせる。



「オレはなぁ、強いヤツと戦いたくてここにきたんだ。ケンカ売ってるのと同じにきまってんだろ、バカ」



「ひっでぇ。お前性格悪いやろ」


「良いとは言えねぇ……な!!」




左に踏み出した右足。


緑川に背を向けるようにしてドリブルをしながら抜いた。