「…………。イズミ、まさか、お前か。」
ようやく絞り出した声は、疲れなのか怒りなのか、はたまた呆れからなのか、もはやミヤコ自身にもわからない理由により、震えていた。
イズミは通常通りの笑みで、ミヤコを見下ろした。
「やーそれにしてもさーミヤコ、似合ってるじゃーん、その格好ー」
「…………。」
誰のせいでこんな目に遭ったと思っているこのクソ兄貴マジで叩っ斬るぞ。
と、ミヤコは勢いに任せて剣を抜こうとした。
そこで我に返る。剣は先ほど、消えたのだ。
それからすべてを思い出す。
そうだ、
「ノア!?」
天高く飛んだ、彼はどうなったのか。
無事なのか。無事じゃなきゃ困る。
無事じゃなきゃ……死ぬなんて、そんなのイヤだ。
ミヤコは焦った。
慌てて辺りを見回すミヤコに、しかしイズミはいつもの調子で声をかける。
「ミヤコ、あれあれ」
「え?」
イズミの指さす先を、ミヤコは視線で辿った。
その先に、踊り子たちに連れられこちらに向かってくるハルトと、そしてノアの姿があった。
「ミヤっ」
ノアがミヤコを見つめて呼んだ。
彼の姿を、声を聞いた瞬間、ミヤコはすべての糸がぷつりと切れたように、膝から崩れ落ちた。


