Different world story





 城が揺れる。

 皆が目を瞑り、耳を塞いだ。

 街中に、国中に響き渡った爆発音。

 次第にその音は消えていき、皆は恐る恐る目を開けた。


「……え?」


 どこかの誰かが、驚きの声を上げた。

 ミヤコは目を開ける。

 そして、自分の目を疑った。

 夜空に次々と花開くは、カラフルな輝き。

 まさか。


「――花火?」


 は?

 ミヤコは口を開けた。開いた口は閉じなかった。

 周りの兵士も、賊軍も、大砲を用意したであろう賊軍のメンバーも。

 皆同様に、夜空を見上げて唖然としていた。

 それは当然の反応だった。

 誰もがあれは、凶器だと。


 なに、これは、どういう。

 呆けるミヤコの肩を、誰かが叩く。

 ぎくしゃくと首を捻ってみれば、そこには見慣れた顔があった。

 ミヤコが迷惑この上ない、すべての元凶の顔が。


「――いやー、いろいろ悩んだけどさー、やっぱ花火とすり替えておいて正解だったよねーミヤコ?」


 掴みどころのない笑みを浮かべ、妹の肩をぱしぱしと叩く。

 どこからどう見ても文句なしの美形。歩けば誰もが振り返る。称える笑みは掴めない、ミステリアスな雰囲気を持つ青年。

 しかしそんな青年の正体こそ、ミヤコの実の兄である、イズミだった。