Different world story





 そうして彼は、見上げた先に弾丸を捉えた。

 神経を研ぎ澄まし。右手を大きく振りかぶる。

 その異常な命中率は、空高くでも、衰えを知らない。


 ――ヒュンッ!


 ノアの放ったミヤコの剣は、空に直線を生む。

 そして。


「ハルッ!!」


 空中から落下する直前、ノアはハルトをこれでもかと呼んだ。

 眼下でハルトは確かにうなずく。

 彼もまた捉えていた。ノアの放った剣の姿を。

 見上げる。目を閉じる。

 集中する。狙いを定める。

 逸れてはいけない。

 これは、賭けだ。

 カッと目を見開く。

 途端に剣が橙色の炎を帯びる。

 燃えるハルトの炎を纏い、ノアの放ったミヤコの剣は、空に橙色の直線を描いた。



 誰もが息を呑む。

 美しい直線は、迷いのない線を引いた。



 ミヤコが、ノアが、ハルトが、踊り子が、リーダーが、賊軍が、兵士が、国民が。

 その、橙色に輝く一筋の剣を見上げていた。


 そして燃える剣先は、一寸も逸れずに、弾丸を捕えた。

 刹那。



 ――ドォンッ……!!



 爆発音が轟いた。