「あっはっは! まあ驚くわなあ。しかもこんな格好やし」
「ま、まあ。」
「けど、ナメてもらっちゃ困るで」
踊り子の彼女は言う。
「私等は、ただの踊り子ちゃうからな」
ミヤコはもう何がなんだかわからない。
剣を下ろしたミヤコの横を、ヴェールの彼女たちは優雅に通り過ぎていく。
ミヤコは慌ててその後姿を目で追った。
「少年!」空中を舞った踊り子がノアを呼んだ。「高さ、必要なんとちゃう?」
ノアが振り向く。
一瞬驚いたような表情をしたが、すぐに意図を読んだらしい。
彼女の脇で二人の踊り子がくるりと軽やかに舞う。
その舞いを、ミヤコは広場で確かに見た。
……あっ。
なるほど、そういうことか。
“たしかにあれを使えば、ノアは天高く飛べるだろう。”
「――撃てッ!」
賊軍の総統が声を張り上げた。
大砲が準備を終えていた。
同時に踊り子が舞う。
例の彼女が組まれた右手にトンと乗る。
構えた砲口はまっすぐに城へ。
そして、
――ドォンッ!!
耳をつんざく轟音が鳴り響く。
ミヤコはその中で絶望を味わった。
だが、しかし。


