反射的に顔を向けると、ノアとハルトがミヤコの後を追っていた。異常事態に気づいていたようだ。
空回りそうになる足。言うことを聞かない。
くそっ、と舌打つミヤコの横を、ノアとハルトが駆け抜けた。
間際、
「ミヤ、呼んだら俺に剣を投げて。」
ノアがそう、ミヤコに伝えた。
ミヤコはハッとして顔を上げる。目前に双子の背中があった。
その先に大砲がある。大砲は、上に砲口を向けている。
まさか、とミヤコは疑う。
ノアはこの剣で、大砲を狙おうとでも?
しかし、でも。そうだとすれば。
……高さが足りないっ。
ミヤコはなんとか足を動かす。
高く飛べる何かがあれば、ノアとハルトの考えをより有力なものにできる。
足が上手く動かない。ミヤコはとうとう立ち止まった。
なにか、何かっ!
「――手伝おうか」
不意に肩を誰かが叩いた。
ミヤコは剣を構えながら振り返った。そこには。
「……お、踊り子っ!?」
先ほどまで広場を優雅に舞っていた、あの踊り子たちだった。
そしてミヤコの肩を叩いたのは、高く宙を舞っていて、加えてミヤコと目が合った、例の綺麗な踊り子である。
顔はいまだに隠されているが、何故彼女たちがこんな戦場に。
そんなミヤコの心境を察したのか、例の踊り子はヴェールの下で笑った。


