敵のリーダーは目線を仲間に巡らせる。誰もが彼を見ていた。
「……だけどな、それで俺も気づいたんだ。そろそろ我慢も限界かもなと。」
「…………。」
「だから、そうだな、それを思う存分発散させなきゃ、止められるもんも、止められねえんだ。」
彼は申し訳なさそうに笑った。
笑いながら、指をパチンと刻みよく鳴らした。
なんだ、とミヤコはいぶかしげな表情を浮かべる。
そして気づいた。
城のすぐ近くで、賊軍のメンバーたちが何かをしている。
その、何かとは。
「大砲……!?」
ミヤコは目を見開く。
どこからあんなものを、と考え、賊軍の中には元々国の重要な仕事を受け持つ人間もいたのだと思い出した。暗化で大砲の手配をしている者がいたのかもしれない。
とにかく今はそれどころではない。大砲の砲口はまっすぐに城を捉えていた。
ミヤコは剣を握りしめる。しかし構えることができない。
争いを止めてくれと頼んだ矢先に、自分が剣を振るってどうする。
賊軍の頭はそんなミヤコに何もしてはこない。
つまり、意見は合致している。
だがしかし、あれはなんとしてでも食い止めなければならない。
ミヤコは咄嗟に大砲を撃とうとしている賊軍たちの元へ走り出した。
距離がある。間に合わない。
どうする、どうすれば。
「――ミヤっ!」
背後からノアの声が呼んだ。


