Different world story





 そして来たるは、その瞬間。

 ミヤコは剣を構えた。

 見失って、たまるものか。


「――いまだッ!」


 ミヤコが駆けだす。

 突如目の前が炎の道と化した。

 驚いた敵味方どちらもがその炎から逃げる。

 ミヤコの目の前が一気に開けた。

 一直線の道の先。

 賊軍の頭が目を見開き、炎の中を猛スピードで駆け抜けてくる、ひとりの騎士をただ見ていた。

 ……逃がさない。

 にやりと笑う。ミヤコは剣を持ち上げた。

 切先を総統へ向ける。矢の如し速さで炎を飛び出す。

 橙色がミヤコの騎士服で舞った。


「――――ッ」


 誰もが息を止めた。


「……お前が、頭だな。」


 剣先を突き付け、ミヤコは問うた。

 問われた相手は、目と鼻の先にある剣先に、目線を奪われている。

 まさか、と誰しも疑った。

 あの速さで。あの勢いで。炎を飛び出したそこに居た敵を、殺さず目の前で止まるなど。

 ましてやあの、寸での距離で。