Different world story





「どこだっ……!」


 ミヤコは歯噛みした。いつまでも剣を振るっていられるわけではない。

 体力は無限ではないのだ。頭を見つけるまでにすべて使ってしまうわけにはいかなかった。

 ちらりと目線を向こうへ流せば、ノアもハルトも次第に疲労の色が浮かんできているのが伺えた。

 くそっ、と悪態を噛み砕いて敵の剣を弾く。

 もはや何人倒したのかわかったものではない。それでも賊軍は湧いてくる。

 倒しても倒しても埒が明かない。

 強さは三人の方が圧倒的だ。しかし人数で言えば賊軍が何倍も上なのだ。

 たった三人でこの人数を戦闘不能にさせるのは、どう足掻いても至難の業だった。

 ミヤコはガリッと歯軋りし、そこでようやく足を止めた。

 勢いよく顔を上げ、声を張り上げる。


「頭はどこだッ!」


 尋ねて教える敵などいない。

 それはミヤコもわかっている。

 けれど苛立ちは募るばかり。体力も半分を下回っているだろう。

 敵はにやりと、愉悦の笑みを浮かべた。


「頭に会いたかったら、俺等を倒して行くんだな」


 ミヤコはキッと目をむく。

 貴様らに構っている暇などない!

 よほど怒鳴ってやろうとした、直後。


「――それなら、私等が相手だ」


 後方から、堅苦しくも威圧感のある声が響いた。

 ミヤコとノア、ハルトは同時に後ろを振り向いていた。

 三人は目を見張る。広場にずらりと並んだ、兵士たちの姿がそこにあった。

 兵士たちが三人を認めると、最前列に居た兵士が敬礼をして口を開いた。