Different world story





「なんなんだお前ッ!」


 キンッ! とミヤコの剣を受けた賊軍が問う。

「なんなんだお前、か。そうだな……」ミヤコは剣の向こうの目を見据えた。

 それからにやりと、笑って見せる。


「――通りすがりの、ただの騎士だ。」


 凛とした声も束の間。血飛沫が上がる。

 ミヤコは倒れ伏す敵の横を過ぎる。剣を振るって血を飛ばした。

 周りの賊軍が怯みを見せる。ミヤコはそんな反逆者たちを一瞥した。


「安心しろよ、殺してないから。」


 一言置いて、その場を駆け抜ける。

 賊軍たちはミヤコの言葉で初めてハッとした。

 ノアも、ハルトも、そしてミヤコも。そういえば三人とも、誰一人、殺しちゃいない。

 ただ戦闘不能にしているだけだ。瀕死の者もきっと居ない。

 それに気づいたひとりが改めて、駆け抜けていった圧倒的強さを見せる三人の後姿を見やった。


「……なんなんだ、アイツ等。」


 そのつぶやきは、三人の誰にも届かない。



 ミヤコたち三人は賊軍の頭を探していた。

 この争いを止めるには、トップを始末しなければならない。

 これだけの人数を引き連れて攻撃をしかけてきたのだ、総統が居ないわけがない。

 ここに来ていると見せかけているのか。いや、だとしてもトップが不在の戦など、言うなればただの負け戦である。

 必ず来ている。それなのに見つからない。