そこでようやく思い出す、自分の立っている位置。
人影に隠れることなく、踊り子がよく見えた。気付かないうちに最前列へと押し出されていたのだ。
トッ、と踊り子が宙を舞う。
顔を隠すヴェールが、僅かにめくれて、瞳が覗く。
……え。
ミヤコは瞬く。それは一瞬だったが、たしかに。
……あたし?
目が、合った。
――ドンッ!
突如轟音が耳を貫いた。
風圧が髪の毛を荒々しくなびかせる。爆発だ。
ミヤコは即座に顔を上げた。
「なんだ!」「何が起きた!」人々は瞬く間に混乱していく。
そこかしこで悲鳴が上がり、子供の泣き声が混ざる。
状況が把握できない。煙が街を覆って行く。
人々の混乱と煙のせいで周りがよく見えなかった。
しかし誰かが声を上げた。
「賊軍だ!」
それはよく響く女性の声だった。
ミヤコはその声を聞き、すぐさま昨夜の集団を思い出す。
あいつ等が? いや、まさか。一日で傷は癒えないだろう。戦えるわけがない。
しかもこの爆発。そこそこの人間が扱えるものではない。
昨日のヤツ等ではない。けれど賊軍だという。
ということは、つまり。


