Different world story






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 風呂上りの髪の毛からぽたぽた雫を落としながら、ミヤコは改めて部屋を眺めた。

 それは城の中にある一室。今回ミヤコに与えられた一部屋だった。

 内装はこの上なく綺麗だ。置かれた品々も高価なことは一目見ればわかるほど。

 自国で使っている部屋とそう変わりない広さと内装だな、とミヤコは疑問に思う。

 自分は今、身分を隠してどこの者かもわからないただの剣使いだ。

 だというのに、こんな部屋を使わせてもらっていいのだろうか、と。

 ちなみに現在ミヤコが着ている服も借り物である。逃亡中であるため着替えすら持ってきていなかったのだった。

 タオルを頭から下ろし肩にかけ、ミヤコは部屋の中央で立ちすくんだまま、一体どうすればいいのやらと内心頭を抱えていた。ソファに座るのもなんだか気が引ける。

 そんな一般民のような考え方ではいけないといつぞやかに言われたことがあるが、全くその通りなのかもしれなかった。


 ――コンコン。


 突如として部屋のドアがノックされる。

「はい」と返事をすると、ドアの向こうから「お茶をお持ちしました」という使用人の声が聞こえてきた。ミヤコに着替えや風呂の扱いなどを教えてくれたメイドの声だ。

 ミヤコが「どうぞ」と許可を出すと、ドアがゆっくりと開いた。


「湯加減はいかがでした……」


 か。

 メイドはそこまで言葉を続けることができなかったようだった。

 ミヤコの姿を見て瞬きすら忘れている。

 その様子にミヤコはようやく、自分が今失敗をしでかしたことに気が付いた。

 先ほどまでとはまるで違う、髪の毛の長さ、体つき、恰好。そして性別。

 一瞬にしてミヤコの脳内は大混乱に陥った。