「俺、好きな子出来た」 気付けばもう10月。 うっすら肌寒くなってきた中、私はそう言った岩戸先輩を目を見開いて、見つめた。 _____ ことのはじまりは、ほんの10分前の事だった。 その日もいつもとかわりない1日を終えて、あとはかえるだけだーなんて解放感に浸っていると トントン、と肩を叩かれて。 振り向いたら、岩戸先輩が居たのだった。それも、いつになく神妙な顔付きで。 「あ、岩戸先輩」