とりあえずわかったことと言えば、俺は、彼女に助けられた、ということくらいだった。



「……迷惑かけて、すんません。俺、帰るんで……」



そう言いながら、布団をまくり、ベッドから降りた。



「待って!!
……帰る家なんて、あるの?」



その言葉に、俺は足を止める。
言い返すことも出来なかった。本当の事だったから。



ーーーーー今更、帰る場所なんて。



なにも言えずにいると、彼女は少し微笑んだ。



「私の家、居ていいよ?
私、一人暮らしだから……ね、そうしよ?」