そう、思ったとき。 「うっ……!」 いきなり顔を歪めた恋那が、洗面所に駆け込んだ。 え。え?何だ? 拍子抜けしながら、ゆっくり洗面所に向かうと、恋那は酷く具合悪そうに項垂れていて。 「恋那……大丈夫か?」 「う……ごめ…。 あの、光弥……」 「ん、どした?」 そう訊いてやると、言いにくそうにモゴモゴとする恋那。 心なしか、その頬はほんのりと紅い。