馬鹿。 本当に……馬鹿だよ、秋夜。 どうしてそんなにお人好しなのーーーーー。 だけど。 そんな彼に甘えて、彼を裏切ろうとしている私は。 「恋那……俺、恋那が好きだ。 ーーーーーー俺と、結婚してくれ」 「……はい…」 最低、なのだろうか。 だけどダメなの。 光弥じゃないと、ダメなの。 好きなの。狂うくらいに、好きなの。 空けておいた左手の薬指が 何よりの、証拠でしょーーーーー?