おかしい。 こんな感情、もってはいけないというのに。 ふと、真由美さんがパアッと顔を明るくする。 「やだしーちゃん、その指輪、彼氏から!?」 そう言われて、自分の薬指に目を落とす。 なんだかその指輪が、切なそうに光っているように見えた。 「……はい、そうです」 そうだよ。もう決めたじゃん。 私には、結婚する人が居るんだから。 迷うことなんか、もう、なにもない。