それに気付いた秋夜が私を見下ろして、せつなげに笑う。 5月独特の爽やかな風が、私達の間をすり抜けていった。 「よかった……俺のこと、選んでくれて」 「秋夜……」 「好きだよ、すごく。照れくさいから、言わないだけで」 そう言った秋夜は、すごく顔を真っ赤にさせていて。 嬉しいハズなのに。 さっき消えかけたモヤモヤが、また、出てきてしまった。