初めてみる秋夜のその表情に、私まで固まってしまう。


「今更、返せって言われても返さねえから。どんな理由であれ、捨てたのに変わりはないし。


それに俺にこいつを任せたのだって、お前だろ」


そこまで言うと、秋夜はぎゅっと私の手のひらを握った。


私も心のモヤモヤを取り払うようにそれを握り返す。



これでいい。
これでいいんだ。


私が好きなのは、秋夜だから。


秋夜を、愛してるんだから。



秋夜の言葉をきいた光弥は、クスッと笑いをこぼした。