もう何も考えることが、出来ないくらいに、秋夜で満たして欲しくて。 迷いなんか、消えてしまうように。 ーーーーーーなのに。 「待って……やっぱり、無理っ……」 フラッシュバックしてくるのは、光弥の顔。 あの笑顔が、声が、色っぽい表情が……ぶわっと花開いたように私の頭を埋め尽くす。 いっぱいで埋まる。 埋まる。 埋まる。 気付けば、涙が溢れていた。