「あれ、私、いつ帰ってきたっけ?」 「一時間くらい前だよ。随分ボーッとしてるから、心配になって来てみりゃ、自分の指切ろうとしてるから焦ったよ」 「止めてよ!」 そう言うと秋夜は相変わらずの無表情で「止めただろ」と言った。 あの光弥とのやり取りから、私は上の空だ。 どういう意味? 今更、私には秋夜がいるっていうのに。