不思議とそれが、私には心地良かったんだ。



「え、じゃあまだ綺麗なまんまなの?」



……綺麗なまんまなのって、なんじゃそりゃ。



「いや……そりゃ、ありますよ」



その時の私の顔が、よっぽど歪んでいたのか、真由美さんはそれ以上何も訊いてこなかった。



今だって、思い出す、光弥の事。



だけどもう吹っ切れた。
過去のことだって。



そう思っていた。