手を伸ばしたって、届かなくて。
だから、諦めようって、思った。



今まで本気で足掻く事を知らなかった俺は、容易く努力という行為を放棄したんだ。



ーーーーーだけど。



諦めようって、思えば思うほどに、浮かぶのはそいつの顔だった。



ムカついた
嫌だった。



あいつの居ない世界に逃げてしまいたくて。



だけど



ずっとあいつの笑顔を見ていたくて。
そんな優柔不断な俺の存在に、驚いた。