「やっぱり……ダメ、だよ。利用なんて……」 「良いんだ。少しずつ、俺を好きになってくれれば。ーーーーーなあ、お願いだから頷いてよ。”うん”って言ってよ」 そう呟いた仙道君があまりにも切なそうにしていらから。 私は静かに、頷いた。 帰り道。 悶々としながら一人歩いていると、前の方から 「椎名」 って声がきこえてきて、見上げてから息が詰まった。