なんだか、様子がおかしいなって思ったのは、もう秋も深まり出した10月の事だった。 「……や…光弥!」 少し大きめの声を出すと、光弥はハッとしたように私を見る。 それから少し戸惑ったように笑いながら「何?」と首をかしげた。 ……またなの? 「光弥、最近ボーッとしすぎじゃない?」 「別に……そんなこと、ねぇ。んで、何」 「あのね、今度映画を見に行かない?」 そう言うと、光弥は優しく私の頭を撫でて。