くるっと振り返ってそう言った光弥は、すごくせつなそうで。 私は、立ち止まった光弥に抱きついた。 ______ 離れるわけ、ないじゃん。こんなに好きなんだもん。大好きなんだもん。 「好き。大好き……光弥」 「……知ってるよ」 ________ 離れんなよって言ったのは、光弥のくせに。 ねえ、どうして?あの時の言葉は嘘だったの? 抱き締めあった温もりが妙に切なかったある春の日。 ……私達には大きすぎる問題が迫ってきてたんだ。