「そ。じゃあさ、俺がもらってもい?」 「ん?な、何を?」 「何をって勿論、恋______ 」 「すいません」 不意に、低い声が降ってきて、私の重心が後ろに傾けられる。 それが光弥の胸のなかだって気付いて、顔が赤くなっていく。 こ、光弥……!! 「これ、俺のなんで」 そう言うと、光弥は私を引っ張ってどこかに連れていった。 後ろでひかにいが、切なそうに「知ってるよ……」と呟いたことさえ、気付かずに。