ぷうっと唇を尖らせた千夏は、悔しいけど可愛くて。



こんなんじゃ男の子が寄ってきて、健人さんも大変だなあ、と思った。



「あ、来たよっ!」



「お、本当!?」



一気に周りがざわつき、なんだかんだいって気になってる私も、そちらに目を落とす。



「わ、イケメンじゃん!」



千夏が楽しげに横でそうはしゃぐが、そんな声ももう聞こえなかった。



明るい茶髪。琥珀色の瞳。
意地悪っぽいあの笑顔______ 。



「ひ、ひかにい!?」