「潤くん、ごめんね?」
「髪、乾かして来たか?」
「うん」
俺はベッドの上で胡坐を掻くと、
俺の横にちょこんと座る葵。
俺は深呼吸して、話を切り出した。
「で、さっきは何であんな事に?」
「えっと……その…」
「ん?」
俺は出来る限り優しく振る舞おうと
必死に心に言い聞かせて……。
「実は、先月のセンター試験前に1度告白されて…」
「はっ?!」
「あっ、えぇーっと、ちゃんと断ったんだけど…」
「………何かされたのか?」
「あっ、ううん。そうじゃなくて、合格したらご褒美ちょうだいって言われてて…」
「……で?」
「今日が合格発表の日で、彼……合格したの」
「彼…?」
「あっ、えっ……あの子」
俺は無意識に語尾が強めに。
「それで?」
「で、エッチしたいだの、キスしたいだの色々言われて。勿論。全部断ったんだけど…」



