Special Edition



自宅へ到着した俺ら。

本当は帰りに何処かへ寄ろうかと思ったが

今の俺はそんな気分じゃない。


「葵、ご飯は?」

「あっ、佑輔くんの家で頂いた」

「………ふぅ~ん」


俺の返答が悪かったのか、

その後の会話が全くない。


俺の部屋はシーンと静まり返ったまま。



暫くして、


「……潤くん?」


か細い彼女の声を聞いて

俺は無意識に彼女を抱きしめた。


すると―――――、

葵から微かに俺以外の匂いが。

恐らく、長時間アイツの家にいたせいで

葵の服から不愉快な男の匂いが

仄かに漂って来た。



「葵、シャワー浴びて来い」

「えっ?」

「アイツんちの匂いがする」

「ッ?!!」


目を見開いた葵に


「な?」

「うん!!すぐ、入って来る」


葵は鞄をベッドへ放り投げ、

着替えを持って部屋を出て行った。