Special Edition


「ここへ、……来た意味を」
「っ……」

ほんの僅かに照らすほどの灯りなのに、それでもヘスの表情は汲み取れる。
色気をたっぷりと纏ったその視線は、ソウォンの鼓動を高めるのには十分で。

覆いかぶさるような体勢のヘスから無意識に逃げようと後退りすると、ヘスは絹地の掛け布団ごと引き寄せる。
まるで、逃がしはしないぞとでもいう感じに。

理解はしている。
十分に自身の立場も把握している。
けれど、体は気持ちとは相反して……。

あまりにも色気を滲ませた眼差しで見つめられると、恐怖のあまり逃げ腰に。
けれど、そんなソウォンですら愛おしくて。

ヘスは唇の端を持ち上げ、目を細める。

衣の裾から覗く白く華奢な足。
普段は靴下(ポソン)を履いていて見ることのないその部分が艶めかしく、ついつい触りたくなってしまう。
指先でツーっとなぞれば、ソウォンの表情が歪むのは当然で。

「どうした、……感じるのか?」
「っ……」

わざと聞くあたり、意地が悪いとも取れるが。
愛おしいからこそ、恥ずかしいとも思えることも共有したいというもの。

足先から這い上がるように指先を膝へと伝い、更にその先へと指先を滑らせる。
それを唇を噛み締め、必死に堪えるソウォンは、声が漏れそうになるのを両手で塞ぐ。

「誰もおらぬ、我慢するな」
「んッ……」

横たわるソウォンの腰に手を回し、もう片方の手は夜着の結び目をスッと解いて……。
ヘスの、ほんの少し冷えた唇が露わになった肩口へと。

室内に焚かれている白檀の香よりも、ヘスの髪から漂う白檀の香りの方が芳醇で、思わず髪に口づけていた。