自宅を出る際に、大和は薄手の毛布と座布団を車に積み込んだ。
勿論、私専用に。
4月上旬と言っても夜はまだ肌寒いし、丘陵地での花見は底冷え対策も必要で。
だけど、叔母様から『陽が暮れたら、2階から愉しめば良いわ♪』と言われている。
だから、寒くなる前に場所移動をすれば済む事なのに……。
志帆ちゃんの言い分もごもっとも。
気心知れた間柄とは言え、あからさまに行動で示されると目に付くのもよく解る。
彼女は、私の事を想って大和に意見してくれている訳だから……。
そんな彼女の気持ちは素直に嬉しいんだけど。
大和の気持ちも解るだけに、私はどうしていいのか解らない。
呆然と2人を見つめていると、
「小町はどう思うんだ?」
「え?」
「相澤の言うように、俺のやり過ぎか?」
「………………ん~、やり過ぎとは「先輩っ!!言うべき事はハッキリ言わないと、彼には通じませんよ?!」
「うっ……」
私は志帆ちゃんみたいに、ズバリ言えるタイプじゃない。
やり過ぎのようにも思えるけど、彼には彼なりの考えがあってしてると思うし。
それに……―――――
「言っとくがなぁ、相澤」
「何ですか?!」
売り言葉に買い言葉のような雰囲気の中。
大和の発した一言で、事態は急変した。



