「凄く素敵な夜景だね」
「ん」
「空気が澄んでるせいか、星空も凄く綺麗に見えるね」
「ん」
「ありがとうね」
「どう致しまして」
「一颯くんと出逢ってなかったら、この贅沢な景色も見る事が出来なかったから」
「………ん」
「今年は辛い事が沢山あったけど、それ以上に………今が凄く倖せだよ」
「今だけ?」
「え?」
「こらからはもっともっと倖せになれるよ」
「………うん。一颯くんがいてくれたら、倖せになれそうだよ」
「なれるよ。…………俺が倖せにするから」
「…………ん」
彼に手をギュッと握られ、暫しの間、星空と夜景を堪能して……。
「寿々さん」
「ん?」
「年越しそばを食べに行こう?」
「どこに?」
「フフッ、……おいで」
彼に手を引かれて向かった先は……。
「寺務所?」
「ん」
「寺務所で年越しそばが食べられるの?」
「うん。ここの名物なんだよね」
「へぇ~」
一颯くんと共に事務所の中へ入ると、既に沢山の人が年越しそばを食べていた。



