「2人はいつ頃、結婚する気なの?」
「ブォッ……ッ……コホッ……」
「ッ?!」
お母さんの爆弾発言に一颯くんがお茶を吹き零した。
私は手にしているお皿を落としそうになるし……。
そんな私達を見て、お兄さんは笑いを堪えてる。
お父さんは、やれやれ的な表情を浮かべた。
「母さんッ!!何いきなり言い出すんだよっ!」
「えっ、だって、『今から結婚の事を聞いてもいいかしら?』なんて聞く親がどこにいるの?」
照れてる一颯くんに真顔で答えるお母さん。
さすが、敏腕弁護士。
話術は超一流のようだ。
おつまみのお皿をテーブルに置いて腰を下ろすと。
「3月の卒業を終えてからの方が、寿々さんのご両親も安心だろう」
「ちょっ、父さんまでどうしたんだよッ!!もう酔ってんのかッ?」
「そうねぇ~。じゃあ、春頃にしましょうか~♪」
「ちょっと2人共っ!いい加減にしろよ!ってか、兄貴も何か言えよッ!!」
「俺に当たるな」
「……寿々さん、マジでごめん」
「…………ううん」
凄く慌てた一颯くんを初めて見た。
お父さんとお母さんの発言にはかなり驚くけど、正直いって凄く嬉しい。
だって、これって、『嫁』として快く受け入れて貰えてるって事だよね?
テーブルの下でギュッと握られた手を握り返して想いを伝える。
こんなに幸せな日が来るとは思わなかった……と。



