「うちの家内がお世話になりました」
俺もまた、男連中に牽制するかのように。
「チッ、何だよ、亭主持ちかよッ!!」
「あ~シラケた~。行こうぜ?」
「あぁ、行こ行こう~」
俺の言葉を理解したようで、
褌姿の男連中は人波に消えて行った。
フゥ~~。
若くて美人な妻を持つと身がもたないな。
俺は大きなため息を吐き、ゆっくりと振り返る。
「……隼…斗……さん」
「ん?」
「ごめんなさい、お仕事の邪魔をして…」
ゆのは俺が隣りの会場にいた事を知っている様子で。
「もう、お仕事はいいんですか?もしかして、中断させてしまいましたか?」
俺が茶席を放棄して助けに来たと勘違いしている。
潤んだ瞳が何とも言えなく、心を擽る。
「いや、さっき終わりになったところだ」
「えっ?それって、私が原因ですか?」
潤んだ瞳がますます潤んで。
今にも大粒の涙が零れそうに。
そんな彼女の表情が堪らなく色っぽくて。
俺は……――……。



