ローズマリー

「付き合ってください」

連絡階段の下で
リュウが女の子に手紙を渡されているのを見た。

20センチくらいの身長差を窮屈に感じているのか、リュウの腰は不自然に前屈みになっている。
興味なさそうな顔だった。

「わりぃ、彼女とかいらねぇんだ」

はっきり言葉は聞こえなくても、口の動きでわかる。
もう何回見ただろう、いい加減その口の動きにも慣れてしまった。

その後の展開が気になって、耳を傾けた。

「、、、琴音ちゃんがすきなの?」

いきなり自分の名前を出されて驚く。
確かに私はリュウといつも一緒にいた。
幼稚園から一緒でこの学校に入学してからもずっと一緒だった。

リュウとは男友達のように話せるし、喧嘩もする。
でもいつの間にか仲直りしてる。そんな関係。

はたから見たら、確かに付き合ってるとか思われても仕方ない。
でもそれ以上に私たちは親しすぎる。

「あいつは特別だよ、じゃ」

リュウは女の子の前を通り過ぎてった。

唖然とした顔で、
手紙を握りしめていた。