彼、蒼ちゃんは、 壁にもたれながら、あの寝癖のような、手でかき回したような黒っぽい、茶色っぽい髪の毛はぼさぼさで、 切れ目はいつものように鋭く、優しく。 学校のブレザーは誰がきたって同じだと思ってたのに、 そんな私の想いをすぐ変えさせてしまうのは、蒼ちゃん。 緩んでいるネクタイ、 それから溢れてる色香が、 かっこいい。 そして、窓から入ってくる夕日によって照らされる横顔はかっこいい。 ただ、一言しか浮かばない。 『かっこいい』、と。