パンッ!パンッ!


「ちはる~。お誕生日おめでとう!」


つかさの部屋に入るなり、いきなりのお出迎えでびっくりする。


足元にはクラッカーの紙テープが転がって、部屋の中はかわいらしく飾り付けされていた。


少し遅れて状況を把握した私は、じわりと涙目になった。


「みんなぁ~ありがとう……」


「泣くな泣くな」


「サプライズ成功かな?」


「ちはるちゃん。これ、みんなから」


さゆちゃんがプレゼントを渡してくれた。


中身はかわいい花のモチーフがついたストラップだった。


「かわいい~!」


「みんなで選んだんだよ。ちはる、スマホに変えてからストラップしてないっしょ?」


「うんうん!ありがとう!」


さっそくスマホにつけてみる。


コスモスみたいなピンクの花がチカリと光った。


秋桜……か。


秋に咲く桜もあるのかもしれない。


―――きっと皆覚えてるんじゃない?


素敵な誕生日になったよ。


ありがとう。奏くん。