ただひとつ。Side Story






「ねえ、……和志ってさ、今彼女いないよね…?」




きた!


お決まりのパターン。




「ん。いねーな。」



「…そっか…。」




「「…………。」」



…あれ?


終わり?


おーい、加藤?



今がそのタイミングだろ?




「…なんだよ、急に黙るなよ。」


「…そっちこそ。」




加藤は一向にこっちを見ようとはしない。




「…かわい~とこあんじゃん。」


「…は?!」


「や、ごめん。何でもない。」




つい…


心の声が出てしまったらしい。




そもそも『加藤いちか』という人物は、こういう恥じらうようなキャラクターではなく……



男同士のように馬鹿みたいな話をする仲だった。



ホッケーで鍛え上げられた手足は筋肉質で、ショートカットの彼女は……


正直、あまり異性を感じさせない。