ただひとつ。Side Story





いつまでたっても、私の胸の高鳴りは…おさまることを知らない。







透子と和志がお互いにケーキを食べさせ合う姿を最前列で見守り、




お色直しを終えて入場すれば…

誰よりも近くに駆け寄った。




高砂の二人をからかいながら、みんなで写真に映り…




颯太くんら高校の同級生が和志を巻き込んで歌を歌えば…

肩を組み合い、それに参加した。









気づけば宴会は終盤に差し掛かり…、




会場が薄暗くなっていた。





「…皆様、お待たせいたしました。新郎新婦が装いも新たにご入場です。…固い絆で結ばれたおふたりが、仲睦まじく手を取り合って…今、新たな未来へと向かい歩み始めました。これより感謝の気持ちを込めまして、皆様のテーブルのキャンドルに火を灯して参ります。どうぞ惜しみない拍手でおふたりをお迎え下さい。」




司会者の声と共に、扉が開く。



スポットライトを浴びた透子のドレスはまるで……



さっき眺めた、あの海のような…


今日見上げたあの空のような…




鮮やかなブルー。



元々長身のトーコ。



スラリとした長い手足。


キリッとした目元に施した化粧。



まさに、雑誌から飛び出してきたモデルのようだった。