ただひとつ。Side Story

ひよりが先生にこれでもかと叱られた日…、


先に帰った私をよそに、透子はー…


ひよりを待っていた。




「…えーと…、二人の馴れ初めは、といいますと…。トーコさんと私がよく訪れる学校の自販機前で…偶然なのか、和志さんとしょっちゅう遭遇しました。最初の出会いもその場所であったと思います。それから…私達は友人を交えてよくクラスを行き来しました。買ってきたジュースを混ぜ合わせたものを飲ませたり、時にはふざけ合ながら机を囲んでよく話をしました。二人は息ぴったりで、私は夫婦漫才を見ているかのようで…当時から、お似合いのコンビだったんです。」



「コンビってなんだよひより~。カップルの間違いか?」


和志が苦笑いした。


「いいえ、『コンビ』です。」


…会場は、再び笑いに包まれる。





「…けど…、私はその時間が大好きでした。温かくて、安心できる場所であったと…、今でもそう思います。ですから、ずっとその時間が続けばいいと思っていました。」