ただひとつ。Side Story

華やかな祝いの場に…


ドキドキと胸を踊らせていたのはまぎれもない事実だと言うのに、



それなのに…



どうして彼女にこんな風に気づかれてしまうような…、


気を遣われてしまうようなことをしてしまったのだろう。




いつかみたいに……


何事もなかったかのように、ポーカーフェイスを貫き通すことは…


もうできなくなっているんだな…。



それだけ、年を重ねたということなのかな。


それとも何かを…、


無意識のうちに必死になって模索しているとでも言うのだろうか…?




『…それに…逃げてばかりじゃ駄目だ。好きになる努力だって必要。何もしなきゃ何も始まんねーよ?』



何もしなければ、何も始まらない。


…颯太くん。


私は……


一体どうしたいのかな。


答えは誰が知っているのだろう。


…ううん、


誰も……


知る訳がない。