ただひとつ。Side Story

次第に勢いを失う雷鳴の中でー…、





ゆっくりと近づいていく、彼女の後ろ姿…。





雲の隙間から、太陽の光が降り注ぎ…




その行く先を照らしていた。






ひよりは足を止めて、一瞬だけ空を見上げると……



また一歩、歩き出す。





「………っ。」




颯太はその肩に……



手を伸ばした。




「…………。」





…が…、




そのまま宙をきり……、




彼はその掌をギュッと握りしめた。





穏やかに吹く風に誘われるかのように……




颯太は、彼女のすぐ隣りを……




通り過ぎていく。