ただひとつ。Side Story




「そろそろ…出るか。」



彼はゆっくりと席を立ち上がる。



「そうだな、…行くか。」



続けて…、


健も立ち上がった。





颯太は……




何となく後ろ髪ひかれる思いがして…


後ろを振り返った。




…が、



ひより達の姿は…



既に、ない。




「……いつまでこうなんだろうな……。」



誰もいない、その場所を見つめながら…


颯太はポツリと呟いた。



ひよりの幻影が見えた気がして……



ふと、笑みがこぼれる。



「……。颯太、何してんだ。行くぞ?」



「…おー…。」