ただひとつ。Side Story

「………。」




「……本当は、もうあるんだろ?大事なもの…。」



「…ない。」



「ならなんで、自分が選んできた道をそんなに後悔してんだ?」



「…後悔?」



「ああ。どうにかしたいと思ってるから…俺に話した。」



「………。」



「…言いたくないのなら、自分から口にはしないだろ?特にお前は……。」



「…………。」



「…いーよ認めたくないなら。俺の自惚れかもしれないけど……、何とかしたいから、…変化を求めてるからこそ…誰かに話した。それがたまたま俺だったと勝手に思うから。」



「……そっか。勝手にそう思っててもいーよ。」



「……アホな奴だ。」



「…そうかもしんないな…。」




颯太は……



そのままぼんやりと窓の外を見つめる。




春雨が……




しとしとと、空から静かに降り注ぐ。