ただひとつ。Side Story








「……ひより…。」







颯太の小さなその身体は、



ゆっくりと崩れ落ち…




膝をついたまま、




その場から…



一歩も動けなかった。




沢山の大人たちがいるのにー……



誰ひとり、どうすることもできない。








人は悲しいくらいに……




何もできない。




小さな幸せを、



一瞬にして消えてしまうのを……




見ていることしかできないというのか…?






この世の無常を……





少年は、




初めて知った。