ただひとつ。Side Story





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放課後……



「健。お前、今日暇?」



「…あ?珍しいな。…暇だけど?」


「ならちょっと付き合わねーか?俺ん家来いよ。」



「…いいけど…。激レアだな、お前から誘われるの。どーかした?」



「……あ、雨。すげーな…。」



颯太は健の素朴な疑問に答えることなく…、


窓の外を見つめ、小さく呟いた。



「……?和志は?アイツも誘うんだろ?」



「いや、あいつは今日商業の先輩と合コンっつってた。」


「あ?俺誘われてねーけど?」


「俺は誘われた。」



「…何で颯太ばっか……。」



健はぶつくさ言いながらも、帰り支度を始めた。




「てか、こんな日に遊ばなくてもよくね?」



「…今日がいーんだよ。」



「けど俺傘持ってきてねーぞ。」





「毎日雨降ってんのに?」


「だって小雨だっただろーよ。こんな大降りになるなんて思ってなかったんだよ。」


「俺は持ってるけどな。」


「お。わりーな、相合い傘?」


「気持ちわりーな、走れば大丈夫だ。」


「アホか?バケツひっくり返したかのよーな雨だぞ?!誘った奴が言うセリフかっ。」


「うるせーなあ。冗談だっつーの!」


「まぎらわしいんじゃ、ボケェ!」



「てか、お前早く準備しろよ。」


「してるわ!」


「何でそんな時間かかるわけ?」


「…エーゴのプリント探してんの!」


「……真面目か。」


「俺はお前とは違うぞ。」


「カンニング疑惑あったくせに?」


「…するわけねーし!」


「……まあそんなのどっちでもいいけど…、つーかこの雨じゃぐしょ濡れになるぞ。本末転倒だ。」



「…一理あるな。」